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その2 SQLiteのインストール


 SQLiteはSQLを用いてデータベースを扱う事ができるライブラリである事を前章でちらっと調べました。本章ではさっそくSQLiteを使うためにライブラリをインストールしてみましょう。



@ SQLiteのインストール

 今回はSQLiteをVisual Studio 2005(Visual C++)で使う環境を構築します。このインストール作業についてはWebマガジンであるCodeZine「SQLiteで組み込みDB体験(2007年版)」にそのままの説明がありました。ここではそれを参照しています。また、追加の情報はこちらのサイト様を参考に致しました。双方のサイト様の希少な情報提供に感謝致します。

 SQLiteを組み込むまでの作業工程は次の通りです:

・ SQLiteのダウンロード
・ SQLiteが使用するsqlite3.libファイルを作成
・ 新規プロジェクトの立ち上げ
・ 作成したsqlite3.libライブラリファイルをプロジェクトに関連付け
・ sqlite3.hへのパスを通す
・ sqlite3.dllにパスを通す

○ SQLiteのダウンロード

 SQLiteはSQLiteのオフィシャルページからダウンロードできます。2007年11月の時点でバージョン3.5.1が最新です。ここから次の2つのファイルをダウンロードします:

・ sqlite-source-3_5_1.zip
・ sqlitedll-3_5_1.zip

 上はSQLiteのソースとヘッダーファイル、下はDLLとDEFファイルの入ったアーカイブです。今後バージョンアップがあっても「sqlite-source-***.zip」「sqlitedll-***.zip」等をDLすれば間違いありません。各zipファイルを解凍すると、沢山の.cファイルと.hファイル、そしてsqlite3.dllとsqlite3.defファイルという2つのファイルが出現します。それらファイルを、簡単のためにすべて同じフォルダに放り込んで下さい。私はC:\prj\sdk\lib\sqlite-source-3_5_1というフォルダを作って放り込みました。


○ SQLiteが使用するsqlite3.libファイルを作成

 続いてフォルダに放り込んだsqlite3.dllとsqlite3.defファイルから静的ライブラリであるsqlite3.libを作成します。そのために、まずVisual Studio 2005(2003)を立ち上げましょう。続いてメニュー内の[Tool]→[Visual Studio 2005 Command Prompt]をクリックします。するとVisual Studioをカレントディレクトリとするコマンドプロンプトが立ち上がります。

 ライブラリを作成するにはコマンドプロンプトのカレントディレクトリ内にあるlib.exeを使います。コマンドプロンプト上で以下のように.defへのパスと出力するsqlite3.libファイル名を指定します:

ライブラリファイル生成
C:\Program Files\Microsoft Visual Studio 8\vc\bin>lib /def:C:\prj\sdk\lib\sqlite
-source-3_5_1\
sqlite3.def /out:C:\prj\sdk\lib\sqlite-source-3_5_1\sqlite3.lib

上の赤い部分は私の環境でのパスです。皆さんはsqlite3.dllとsqlite3.defがあるご自身のパスに置き換えてください。lib.exeが正しく動けば、以下のようなコメントが吐き出されます:

ライブラリファイル生成成功
Microsoft (R) Library Manager Version 8.00.50727.762
Copyright (C) Microsoft Corporation. All rights reserved.

LIB : warning LNK4068: /MACHINE の指定がありません。X86 を既定とします。
ライブラリ C:\prj\sdk\lib\sqlite-source-3_5_1\sqlite3.lib とオブジェクト C:\pr
j\sdk\lib\sqlite-source-3_5_1\sqlite3.exp を作成中

正しく動けば、指定のフォルダにsqlite3.libファイルが生成されているはずです。


○ プロジェクトの新規作成とパスの設定

 続いて作成したsqlite3.libライブラリを新規プロジェクトに読み込ませます。これはまず新規のプロジェクトを立ち上げ、次にプロジェクトのプロパティでライブラリフォルダへのパスを通します。プロパティ内の[構成プロパティ]→[リンカ]→[全般]にある[追加のライブラリディレクトリ]にsqlite3.libのあるフォルダへのパスを追加して下さい。

 さらにSQLiteのメインヘッダーであるsqlite3.hヘッダーファイルを認識させるために、先ほどファイル群を放り込んだフォルダへのパスを通します。これは次のようにすると簡単です。プロジェクトのプロパティの[構成プロパティ]→[C/C++]→[全般]にある[追加のインクルードディレクトリ]にsqlite3.hがあるフォルダパスを指定します。私は次のように指定しました:

実際は皆さんのパスで置き換えてください。


○ DLLへのパスを通す

 最後に、放り込んだフォルダ内にあるsqlite3.dllを立ち上げたプロジェクトのフォルダ下にコピーします。これはSQLiteのソースがこのdllを動的にリンクするためです。これでSQLiteのインストール作業は終了です。



A 極短SQLiteソースコード

 プロジェクトにSQLiteが組み込まれましたので、早速SQLiteを使用した極短ソースコードを組んでみる事にしましょう。とはいうものの、まだ何も知らない状態なので、とりあえずsqlite3.libとメインとなるsqlite3.hヘッダーファイルをインクルードしたものを極短としておきます。

 コンソールアプリケーションで極短は次のような感じです:

SQLite極短コード
#pragma comment( lib, "sqlite3.lib" )

#include <tchar.h>
#include <sqlite3.h>

int _tmain(int argc, _TCHAR* argv[])
{
   return 0;
}


 上のソースはもちろん何もしていませんが、SQLiteのセッティングが上手く言っているかを判断するのに使えるかと思います。エラーが出なければライブラリも正しく読み込まれています。

 
 次の章ではいよいよSQLiteのサンプルプログラムを動かしてデータベースに触れてみます。